衣麻と僕と俺と私




だって


入学式って全校生徒プラス保護者が体育館に集合するんでしょ?


そんなの耐えられるはずがない。


「あ、着いちゃった」


最初に着いたのは私のクラス、1組。


良太は2組で雪乃は4組だからここでお別れ。


「やだ・・・行きたくない」


いや、雪乃、ここで泣かれても困る。


正直私もこの空間限界。


「ほら、行くよ雪乃。衣麻、また後で。


帰りに教室行くから」


しっかりものの良太は今も健在。


「うん、ありがとう」


そりゃあ私だって雪乃や良太と離れたくないよ。


だけど、こればっかりは仕方ないよ。


私はそう思いながら雪乃と良太を見送った。



 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



席に着いても思うのは人の多さ。


もちろん知ってる顔も2つ3つはある。


だけどみんなほとんど話したことない男子ばかりで


私にとってここで話せる人はいない訳です。