衣麻と僕と俺と私




「ほうやね、大丈夫か」


雪乃は安心したように笑った。


「あ、そういえばね・・・」


私が言いかけた時、公園の入口に1台の車が停まった。


中に誰が乗ってるかなんて見なくても分かる。


あれは良太とこだ。


「行こっか」


私の言葉に雪乃は頷いて車まで小走りした。



 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



これはある意味奇跡としか言いようがない。


幼稚園から今まで当然のように1クラスだけで


やってきた私たち。


だけど、高校に入った途端4クラスもあって


(他の高校に比べたら少ないんだろうけど)


私たち3人は見事にバラバラのクラスになってしまった。


「衣麻ぁ・・・人が多い」


中学校に入学した時もびっくりしたのに、それ以上。


一応入試で経験はしてたけど、やっぱり慣れれるはずがない。


雪乃は早速人酔いしてるっぽいし。


良太も黙々と歩いてる感じ。


こんなんで大丈夫かなぁ。