衣里ちゃんが自分のことを“衣里”って言ってたのは
確か小学校卒業するmで。
それに比べて衣麻って・・・子どもだ。
「でも、衣麻ねぇも買うもんあるって」
瑛太が同意を求めるように衣麻を見た。
「うん。黒の靴下とか持ってないもん」
中学校までは白の靴下じゃないといけなかったのに
高校は黒の靴下じゃないといけない。
だから買いに行かないといけないんだけど、間に合うかなぁ。
「衣麻、入学式の前の日までちゃんと見張ってあげるけん
とりあえず買い物行ってきたら?時間も時間やし」
そう言われて時計を見ると、午前10時。
目的地までは徒歩と電車で1時間だから
さすがに行かないと夕方に帰って来れないか。
「うん、行って来る。ありがとう衣里ちゃん」
「どういたしまして。行ってらっしゃい」
笑顔で手を振る衣里ちゃんに見送られて
衣麻と瑛太は買い物へと出発した。
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「あれ?ここ、誰か入ったん?」
家を出て数メートル、瑛太の視線の先には旧翔馬宅。


