衣麻と僕と俺と私




「それは今も変わってないよ。


俺は越智さんのこと異性として好き。


これは恋愛感情なんよ」


うん、分かってる。伝わってるよ。


だけど、やっぱり衣麻は傷つけてしまうみたい。


「・・・ごめんなさい」


衣麻は深呼吸をした後、深く頭を下げた。


期待に応えられなくてごめんなさい。


高屋くんの気持ちを無駄にしてしまってごめんなさい。


今まで真剣に向き合わなくてごめんなさい。


言葉にしてしまうとたったの一言だけど


衣麻は色んな思いを込めた。


「分かっとったよ。やけん、頭上げて?」


ため息とともに吐かれたその言葉にゆっくりを頭を上げた。


高屋くんは困ったように笑ってて


すごく申し訳ない気持ちになる。


「俺のせいで6人の仲が壊れとんも気づいとった。


やけど俺はどうしても諦めれんかって・・・


謝らないかんのは俺の方。ごめんね、越智さん」


高屋くんの言葉はまっすぐ心に届いて、泣きそうになる。


だけど、泣いちゃ駄目。