「俺は、高屋を好きになれん」
そう言って良太は立ち上がった。
“でも、高屋くんは良太のことも心配しとったんよ”
良太の背中にそう言いたかったけど、無理だった。
言ったとしても、きっと逆効果。
今はもしかして2度目の試練なのかもしれない。
1度目は、翔馬がいなくなった時のこと。
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6人がそれぞれ心の中にもやもやを残したまま入試
そして卒業式を迎えた。
合格発表は明日で、初めてバラバラに見に行くんだと思う。
最近は登下校もバラバラで、もちろんそれは今日も同じ。
1人で登校した衣麻は1番のりで教室に入った。
寒いだろうなとは思ったけど
1つだけ窓を全開にして外を眺める。
目の前に見える桜の木のつぼみは
この前より少しだけ大きくなってる。
はぁ・・・。
思わずため息が出た
こんな状態で衣麻たち6人が大丈夫な訳がない。


