衣麻と僕と俺と私




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「越智さん、ちょっとかまん?」


長袖とおさらばして梅雨入りをした6月。


給食を食べ終わっていつものように6人で


体育館裏に行こうとしていた時だった。


衣麻は斉藤くんって男子に呼び止められた。


斉藤くんとは同じ放送委員をしてるから


別に変なことではないんだけど


今日の斉藤くんは何だかいつもと違う気がする。


何ていうか・・・


「体調悪い?」


衣麻が思わずそう言ってしまうほど、顔が真っ赤なんだ。


「ちょっと衣麻!ユキら先に行っとくけんね」


「え、何で?」


「衣麻は行かんの?」


「ええけん行くよ!」


文句を言う男子4人・・・いや、違うな。


良太だけは何も言ってなかった。


ただ、何故か心配そうに衣麻のことを見て足を進めた。


だけど、


「え、どうして先行くん?」