衣麻と僕と俺と私




GWが終わってそろそろ暑さが増して来る


5月中旬の昼休み。


衣麻たち6人はいつものように


体育館裏の日陰でのんびりタイム。


“いつものように”っていうのも


入学してからほぼ毎日


昼休みはこの場所で過ごしているから。


「あー、何かしんどい」


きっと何気なくつぶやいたんだろう良太の言葉。


だけど、その言葉には他の5人も共感。


だって、他の14人と上手くやっていける気がしないんだもん。


これがまだ4月とかだったら希望は持てる。


だけど、もう5月の中旬だもん。


さすがに辛くなるよね。


『でも、部活は楽しい』


これも6人が口を揃えて言う言葉。


部活は楽しくて、部内だと同級生とも上手くやってるんだけど


その場面が教室に変わるとみんな人が変わったみたいになる。


それが、衣麻たちがしんどい理由。


「これで3年間、上手くやってけるんかなぁ」


和斗が代弁したみんなの気持ち。