太陽が眩しい季節がやって来た。
更に、小学生になって4度目の夏休みもやって来る。
衣麻はこの日をどれだけ待ちわびてたことか・・・
毎朝6時に起きて、近所の子と6時半からラジオ体操
朝ごはんを食べた後は時計とにらめっこしながら宿題をして
10時になるやいなや家を飛び出して翔馬の家に行く。
衣麻の頭の中にはどう考えても完璧な夏休みの計画が出来上がってる。
だけど・・・
『衣麻・・・真剣に考えてね?』
そんな内容の計画表は先生には認めてもらえず
全部消しゴムで消すことになった。
あーあ、翔馬と過ごす夏休み、楽しみにしてたのに。
なんて、冗談のようだけど本気で落ち込んでる休み時間。
あと数日で輝かしい夏休みがやって来るっていうのに
あんまりだよ。
「衣麻、まだできんの?」
そんな衣麻の目の前に現れたのは
ドッジボールをして戻って来た翔馬。
衣麻はうつむき加減だった顔を一瞬で上げた。
だって、翔馬が自分から話題を提供することなんて
あんまりないから。