あれ?いないのかな?
――――ピンポーン・・・
「翔馬?おらんの?」
叫んでみても反応なし。
家族でどっか出かけてるとか?
可能性はないことはないけど、低い。
だって、毎年翔馬の家族はお盆の間、お出かけはしない。
「衣麻!」
右側から名前を呼ばれて、すぐに雪乃だって分かった。
「あ、雪乃。翔馬知らん?」
冷静を装ってきいたけど、心臓はバクバク。
だって、翔馬に何かあったんじゃないかって気が気じゃないもん。
だけど、雪乃は信じられない言葉を口にした。
「それが・・・衣麻が出かけた次の日からおらんのよ。
ユキも特に何も聞いてないけん分からんのやけど
男子4人も知らんって言いよった」
「家族旅行?」
何とか気持ちを落ち着かせながら雪乃と話す。
まさか、翔馬が無言でいなくなる訳ないもん。
何かの間違いだよ。
「最初はそう思ったんやけど
果乃が引っ越しのトラック見たって」