衣麻と僕と俺と私




そんな貴重な瞬間を見てる周囲が放っておくはずがない。


「さすがにそういう時は名前出してなかったみたいだけど


私の友達も告白しに行ったって報告してくれて、言ってた。


『大切な人がいるんだ』ってすごく優しい顔で言われたって」


「大切な人・・・」


それが私だってことは、いくら私でも分かった。


うぬぼれとかそんなの関係ない。


今まで誰とも付き合わなかった翔馬が


私とだけ付き合ってくれてるってことは


そういうことだよね。


「だから衣麻ちゃん。


これからもずっと翔馬と仲良くしてね?


私、2人の結婚式絶対行くから!」


「け、結婚式!?」


なんてぶっ飛んだ発言。


やっぱり都会の子は発想が違うのかな。


「これ、私の連絡先。


これから先、ケータイ持つようになったら連絡して」


「あ・・・ありがとう。でも、どうして?」


「どうしてって・・・


衣麻ちゃんと友達になりたいから」


やっぱり、素直で優しくて、とっても良い子。