あんなに良い人が近くにいたんだ。
きっと翔馬とおばさんは
大家さんにたくさん救われたんだろうな。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「翔くん?」
川沿いにある定食屋さんで昼食をとって
のんびり歩いている時だった。
河原の方から女の子の声がしたと思ったら
すぐに視界に私より少し背が高い女の子が現れた。
「おー、真菜。久しぶり。
衣麻、さっきのアパートで隣の部屋だった
1つ年下の真菜」
「あ・・・初めまして。衣麻です」
軽く頭を下げて自己紹介をした。
「こちらこそ初めまして。真菜です。
衣麻さんのことは翔くんからいつも聞いてました」
にっこりと笑って言った真菜ちゃんは
少し千葉さんを思い出させた。
顔はちっとも似てないんだけど
雰囲気が似てる気がする。
「2人でいるってことは、やっと付き合ったの?」
真菜ちゃんの問いに、2人揃って赤くなる。


