衣麻と僕と俺と私




それにしても、先生、良いの?


私たち、高校生だよ。


男女の部屋の行き来は禁止されてるんじゃ・・・。


「俺は衣麻たちと違って先生の信頼を得てるから」


口の端を少しだけ上げて言った。


確かに、周りと距離を置いてる私たちよりも


ちゃんと馴染んでる翔馬の方が気に入られてはいるけど


これってやっぱり問題があると思うんだよね。


「あのさ、翔馬。私、着替えたいんやけど」


寝てる間に汗をかいたらしく、服が気持ち悪い。


「うん、着替えれば」


信じられない。


「もう!見んどってよ!」


鞄から着替えを取り出してバスルームに駆け込む。


でも、浴槽を見て気が付いた。


そういえば私、昨夜お風呂入ってない。


いくら寒くても汗はかいたし・・・。


何より翔馬に不潔だと思われたくない。


はぁ・・・。


入った時とは正反対のテンションで再びベッドの側に戻る。


「あれ、着替えは?」


翔馬は相変わらずテレビに夢中。