衣麻と僕と俺と私




「え・・・っと・・・うん」


人見知りと恥ずかしさが合わさって


上手く言葉が出てこない。


「そっかぁ、翔馬、衣麻ちゃんのこと


ほんとに大切に思ってるから良かった」


小学校の同級生が私の話題を覚えてるくらいだから


きっと翔馬は毎日のように口にしてたんだ。


恥ずかしいけど、嬉しいな。


「衣麻」


肩を叩かれて振り向くと


雪乃と良太が立ってて不思議そうな顔をしてた。


そっか、2人に分かれて散策して


この辺りに集合してたから。


「あ、あのね、翔馬の小学校の同級生やって」


「あ、なるほどね。うわ、翔馬話し込んどるし」


良太の言葉に男の子の方を見ると


確かにすっかり盛りあがってる。


「夕飯ってホテル?」


「うん。○○ホテル」


「あ、めっちゃお洒落なとこじゃん」


あれ?今度は翔馬、女の子とも話し出した。


良太は呆れてて雪乃は近くにあるアクセサリーを見てる。