衣麻と僕と俺と私




雪乃も手伝ってくれて、耳栓をした。


あ、これなら音は聞こえないけど少しは楽かも。


「ありがとう」


良太を通じて翔馬に伝え、再び目を閉じた。



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「もしかして、翔馬?」


地下の商店街を散策中


地元の高校生と思われる男女数人のグループが


近づいてきて、翔馬に声をかけた。


「あ、やっぱ翔馬だ」


向こうは勝手に納得してるけど


翔馬は考えるような表情をしてる。


もしかして、中学の友達かな?


「あ!思い出した!私立に行った奴らか!」


そう言った翔馬は満面の笑顔を見せた。


私立ってことは・・・小学校の同級生?


「そう!あ、もしかして衣麻ちゃん?」


今度は翔馬の隣にいる私が注目された。


どうして私のこと知ってるんだろう。


「そ、こいつが衣麻」


翔馬が手を繋いできたから恥ずかしくて


思わず俯いてしまった。