雪乃も手伝ってくれて、耳栓をした。
あ、これなら音は聞こえないけど少しは楽かも。
「ありがとう」
良太を通じて翔馬に伝え、再び目を閉じた。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「もしかして、翔馬?」
地下の商店街を散策中
地元の高校生と思われる男女数人のグループが
近づいてきて、翔馬に声をかけた。
「あ、やっぱ翔馬だ」
向こうは勝手に納得してるけど
翔馬は考えるような表情をしてる。
もしかして、中学の友達かな?
「あ!思い出した!私立に行った奴らか!」
そう言った翔馬は満面の笑顔を見せた。
私立ってことは・・・小学校の同級生?
「そう!あ、もしかして衣麻ちゃん?」
今度は翔馬の隣にいる私が注目された。
どうして私のこと知ってるんだろう。
「そ、こいつが衣麻」
翔馬が手を繋いできたから恥ずかしくて
思わず俯いてしまった。


