衣麻と僕と俺と私




「ん?」


翔馬は私の背中をさすってくれてる。


「翔馬、私ね」


「うん」


翔馬もこんな風に緊張したのかな。


「私、好き。翔馬のことが、好き」


「え・・・」


背中をさすっていた翔馬の手が止まった。


一瞬不安になったけど


ずっと好きだと言ってくれた言葉を信じる。


「ちゃんと整理できた。


1年以上もかかって、ごめん」


去年の運動会数日前だった。


翔馬に告白されてびっくりしたんだよね。


「衣麻」


「え・・・翔馬!?」


今、私は翔馬に抱きしめられている。


しゃがんでいても翔馬の方が大きいから


私の顔はちょうど翔馬の胸の高さ。


今まで17年間生きて来て


男子とこんなにも至近距離になったのは初めて。