衣麻と僕と俺と私




「あ、衣麻や」


「お、エプロンや」


「何がおすすめ?」


開店後すぐに篤と和斗と航平がやって来た。


嬉しいんだけど、やっぱり恥ずかしい。


「いらっしゃいませ。こちらにどーぞ」


「衣麻のおすすめ3つください」


篤の言葉に“はーい”と返事をして奥に伝える。


奥には良太と翔馬と数人のクラスメイトの姿。


特に翔馬なんか“かっこいいから受付をしろ”


ってみんなに言われてたのに“俺、人見知り”って


分かりやすい嘘をついて無理矢理奥に入ってた。


ま、去年大変だったからね。


「衣麻ねぇ!衣麻ねぇ!」


聞き慣れた声に反応して顔を向けると


瑛斗とお母さん、そして翔馬のお母さんの姿。


翔馬のお母さん、こっちに戻ってきて初めて会う。


思ったより元気そうだから回復してるのかな。


「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」


今年の6月に3歳の誕生日を迎えた瑛斗は


来年の4月から幼稚園に通う。