「ちょっと待った。良太、それほんと?」
高校2年生の秋。
文化祭の準備をしてる時に偶然会った私と良太は
渡り廊下でしばしの休憩中。
「うん、ほんと。俺、雪乃に告白する」
顔を赤らめも照れもせず、よくそんなこと言えるね。
私、びっくりを通り越して感心しちゃうよ。
「え、もしかしてずっと雪乃のこと好きやった?
確か去年の夏・・・」
私の頭の中に甦るのは
雪乃が告白されたことを聞いた去年の夏休み初日の光景。
あの時、急に帰るって言って公園を飛び出したよね、良太。
「あー、うん。ずっと好きやった。
でも、俺らって幼なじみやん?
もし振られてギクシャクしたら
みんなにも迷惑かかると思って諦めとったんやけど
もう我慢できんようになってしもた」
ここで初めて顔を赤くした良太。
これは相当だと思う。
「協力、してくれん?」
顔の前で手を合わせてお願いしてくる良太。