衣麻と僕と俺と私




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ゆっくり歩くこと5分。


普通に歩いて2、3分で着く公園までは


ゆっくり来てもすぐに着く。


少し前を歩いてた翔馬がブランコに腰かけたから


私も隣のブランコに腰かけた。


「こないだは、ごめん」


「え?」


突然謝った翔馬に、意味が分からない。


“こないだ”がいつを示すのかも分からないし


翔馬に何かをされた覚えもない。


「衣麻が真剣に悩んでたのに


先輩から聞いたって笑って言っただけだった」


この言葉でやっと意味を理解した。


だけど、翔馬が謝ることは何もないよ。


「気にせんといてや。


別に翔馬が言ったことで落ち込んだりしてないし。


それに・・・翔馬は事実を教えてくれただけやん」


そうは言いながらも、私の視線は自分の足元。


落ち込むのが翔馬のせいでないにしても


翔馬の言葉で担任の先生に言われた言葉も思い出した。