「あの」



突然誰かから肩を叩かれた。
振り返ると160センチぐらいの少し小柄な短髪の男の子が立っていた。
見るからに好青年って感じで、可愛い顔立ちをしている。



誰だろう……?
……あ、そういえば前に教室に来て梶原くんと話してたような……。



「なにか用、かな?」



「あの、これ体育館の2階に落としてましたよ」



と、彼が差し出したのは私の生徒手帳だった。



私ってばいつの間に!?
てか、体育館の2階に落としてたってことは結構前に落としてたってこと!?
全然気づかなかった……。



「ありがとう!私ってばうっかりしてて……」



「いえ!」



もう、私ってほんとバカだなぁ……。
バカだしドジだし自分に呆れる。



「あの……!」



すると、その男の子は私にまっすぐな視線を向けた。



「1年のバスケ部、羽山奏斗(はやまかなと)っていいます!」



羽山奏斗くん……やっぱりこの間、梶原くんと話してた男の子だ。
梶原くん、羽山って呼んでたもん。