体育館の2階に上ると、コート全体がよく見える。
たくさんバスケ部員がいる中で、私はすぐに梶原くんを見つけた。
梶原くんは自分とは違う色のゼッケンをつけた人から素早くボールを奪い、ドリブルでコートの中を走り抜けると、あっという間にシュートを決めた。
「すごい……っ!カッコいい!!」
「陽莉もよく飽きないよね……私もう見飽きたよ」
毎日同じ光景を見ているけど、全く飽きない。
梶原くんのバスケをする姿は一日の疲れを吹き飛ばしてくれる。
汗を着ている練習着で拭う姿も、シュートを決めて仲間とハイタッチする姿も、全てにドキドキするんだ。
私、相当梶原くんが好きなのかもしれない。
だから……この恋をどうしても叶えたい。
「ねぇ、羅菜」
「ん?」
「私……告白する」
「え!?本気で言ってんの?」
羅菜は目を丸くした。
私は本気だ。
梶原くんにこの気持ちを伝えたい。
そして、梶原くんの気持ちを知りたいんだ。



