「そう、だな」



陽莉はもう俺と一緒にいる必要もなくなる。
陽莉が一緒にいなくなったら、女子がまた集ってくんだろうな……。
めんどくせぇな。



でも、俺がこの関係を終わらせたくないって思ってんのはそれだけの理由じゃない気がするんだ。



「あの、ね……私、性悪で俺様で猫かぶりな朔空くんなんて大キライだけど……でも、まだ少し一緒にいてもいいかな?」



「え……?」



陽莉の予想外の発言に、俺は目を見開いた。



「大キライなんだけど……こうやって朔空くんと一緒にいると少し安心するんだ」



そう言った陽莉の頬は赤くて、でも俺の目をしっかり見つめていた。



俺は陽莉の言葉とまっすぐな瞳に、思わず〝抱きしめたい”なんて衝動に駆られた。



俺、落ち着けよ。
なんでこんなヤツにドキッとして……欲情しちゃってんだよ。



「ふぅん、陽莉って意外とMなんだな」



「へっ!?」



自分を落ち着かせるために、俺は不敵な笑みを見せた。
すると陽莉はさっきとは違った焦った表情になる。