さっき、梶原とある女子を見たときの陽莉の表情が頭から離れない。
きっと、陽莉はショックを受けたんだろう。
俺がもし陽莉の立場でもきっとかなりショックに違いない。
でも陽莉はどこか吹っ切れた様子で、アイスを食べに行こうと俺を誘ってきた。
きっと気持ちを紛らわすためだ。
「いらっしゃいませー!ご注文はお決まりでしょうか?」
「ねぇねぇ、朔空くんなににする?」
陽莉は笑顔で俺に聞いてきた。
「んー……チョコミントとストロベリーチーズケーキかな」
「ストロベリーケーキってやつ美味しそうだね!じゃあ私は、ストロベリーチーズケーキとオレンジシャーベットで!」
「かしこまりました」
陽莉は楽しみ~!なんて言いながら、レジに向かう。
「お会計はおふたつで、456円になります」
陽莉が財布を出して払おうとする。
そういえば、陽莉が奢るから食べに行こうって提案してきたんだっけ。
別に俺はそれにつられてアイスを食べるのに付き合ったワケじゃない。
ただ、なぜか陽莉のことが心配になったから。