「大丈夫?ケガはない?」
澤村くんの顔、こんなに間近で見たの初めてだ。
こんなにカッコいい人だったんだ……。
……って、そんなことを言ってる場合じゃない!
「あっ、だ、大丈夫です。ごめんなさいっ」
彼のオーラに圧倒されて敬語になる。
ケガは大丈夫なんだけど……。
女の子たちからの視線が大丈夫じゃないよっ!!!
私は慌てて澤村くんから離れた。
「じゃ、じゃあ私急いでるのでっ!!!」
振り向かず、とにかく逃げた。
あのままあの場にいたら、女の子たちに殺される気がした。
気が付くと、私は女の子の群れから抜けていた。
「ちょっと陽莉、どこいたの?途中でいなくなっちゃったからビックリしたよ」
「ご、ごめん。さ、はやく行こう」
羅菜の腕を引いて、体育館に向かった。



