【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「さ、朔空くん……っ」



「ちょっとからかいすぎたな」



あはは、と笑いながら軽く謝ってくる。



か、からかったの!?
まぁ……朔空くんのことだからあり得ることか。



「つーか陽莉、騙されやすすぎ。もっと抵抗しろよ」



「だ、だって……っ」



あんな真剣な表情で言われたら……ねぇ。



すると朔空くんは私の唇に人差し指をおいた。



「あんまり油断してると、キス奪うから」



「……っ」



甘い声で囁かれて、私はカァァと赤くなる。
自分でも真っ赤なのがわかるほどだ。



朔空くんはどうしてそんなに簡単にそういうこと言えるの!?
私をからかうのもほどほどにしてよっ!



「ば……バカっ!」



私は朔空くんの胸を軽く殴った。