【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。






朔空くんの顔は間近で見てもやっぱり整っていて……少し悔しい。
悔しいけどやっぱりカッコいいって思ってしまったんだ。


私を映す綺麗な瞳に今にも吸い込まれそうだ。



つい見惚れていると、彼は私の顎をクイッと持ち上げた。



「じゃあ……俺にキス、しろよ」



「……っは!?」



朔空くんは真剣な表情でそう言った。



キス……?
キスってあの口と口が……くっつくやつ?



お、おかしいでしょ!?



「あ、あの~……なんで、き、キス……?」



「俺を元気にしたいんだろ?俺、キスしたら元気になるけど」



な、なにそれ……?



「ほら、はやく」



「え、っと」



そんな真剣な表情で言われたら、断るにも断れないじゃん!
ほ、ほんとどういうつもりなんだろう?