そしてなにも会話のないまま、屋上にたどり着いた。
ギギー
少しイヤな音を立てながら扉を開く。
朔空くんはカバンをそのへんにおくと、壁にもたれて座った。
私も少し距離を置いて隣に座った。
「はぁ………」
目を閉じてなにかを吐きだすように朔空くんは深呼吸した。
「朔空くん……どうかしたの?」
私は思い切って聞いてみた。
「……お前、俺のことイヤがってるクセに心配するんだな」
「そりゃあ……だって人が悩んでるかもしれないんだよ?気になるじゃん!少しでも力になれたらなぁとか思うし……」
そうだ、梶原くんもそういう感覚で私に相談してって言ったのかもしれない。
好きとか嫌いとか関係なく……。
だから梶原くんはきっと私に対してじゃなくても、あんな風に優しくするんだろうな。
勝手にそんな風に考えて、また胸が苦しくなる。
自分を一番苦しめてるのは自分自身なのかもしれない。