すると、梶原くんは優しい笑顔を私に向けていた。



「やっぱり、東本は笑顔が1番だよ」



「……っ」



「だから、相談とか気軽にして?東本には笑顔でいてほしいからさっ」



はぁ……梶原くんってなんでいっつもそうやって期待させるようなこと言うんだろう。
彼女さんがいるのにそういうこと、簡単に言っちゃうんだ。



ただ、梶原くんが優しいだけなんだろうけど……。
その優しさは私を苦しめてるのになぁ。



「ありがとう、梶原くん」



私は精一杯の笑顔でそう答えた。



こういう気持ちを、切ないって言うのかな。
胸が苦しくてズキズキ痛む。



キーンコーン―――



「はーい、授業始めるぞー」



本鈴が鳴って、梶原くんは私の隣の席に座った。



あぁ、梶原くんのこと好きだ。



私は少し熱くなった頬を両手で隠した。