振り返ると、予想通り王子様スマイルの朔空くんがいた。
「……ウソくさ」
羅菜は朔空くんを睨んで小さくつぶやいた。
「じゃ、陽莉。またあとでね」
そして私に手を振ると、どこかへ行ってしまった。
ら、羅菜……怖い……!
相当朔空くんのことが気に入らないんだ。
「……じゃ、行こっか」
「う、うん」
お弁当を持って私は朔空くんの後をついて行く。
「どこいくの?」
「屋上」
「お、屋上?屋上って入れないんじゃ……」
屋上に入ろうとしたことはないけど、大体の学校って屋上は開いてないよね?
屋上の入り口のドアの前で立ち止まると、朔空くんはドアノブに手をかけた。