俺はイライラの答えを見つけられず、机に伏せた。



「はぁ……」



女子の集団が寄ってこないだけでこんなにラクなんだな。
あの女子の集団もよく俺を追っかけて飽きないよな……。
いい迷惑だわ、マジで……。


そんなことを考えていると、ある女子の声が耳に入ってきた。



「ねぇ、澤村くんと東本さんって本当に付き合ってるのかなぁ?」


「それ私も思ってた!東本さんってさ、澤村くんに全く興味示してなかったのにねぇ」


「こっそり想いを寄せてたとか?」


「どうなんだろうね?でも東本さんって澤村くんよりも梶原くんの方がお似合いな気がする~」


「わかるわかる!なんか雰囲気とかね!」



そんな会話に俺のイライラは増す。



なんだか梶原に負けた気がして、腹が立つ。



まぁ実際、陽莉は梶原が好きなワケなんだけど。
梶原に彼女がいるって言っても、俺と付き合ってるフリをすることになっても、陽莉はそれでも梶原のことを好きでいる。
諦めたくても、簡単に諦められないぐらい好きってことだよな。



俺にはそんなに人を好きになったことがないからわからないけど。