「てか、梶原くんはどうしたの」



羅菜が朔空がこちらを見ていないのを確認して、小声で聞いてきた。



「それが……梶原くんには彼女、いるんだって」



「えっ!?そうなの!?そんなの初めて聞いた……」



「朔空くんが教えてくれたんだ……だからもう諦めるしかないんだよ」



「そっか……」



信じたくないけどそれが現実。
現実は本当にツラすぎる。



キーンコーン―――



「……あ、じゃあ私も席に戻るね」



「うん、またあとでね」



私は机に伏せて、ため息を1つついた。



「……疲れた」



朝から体力消耗しちゃったよ……もう帰る頃には体力残ってなさそう。



「朝から大変そうだったね。お疲れ」



隣からクリアで優しい声が聞こえて体を起こす。