「さ、朔空くん……」



振り返ると、爽やかな王子様スマイルを浮かべる朔空くん。
でも目は笑ってないような気が……。
羅菜に話そうとしたの、バレたんだ……っ!!!



「あ、いや……」



「ちょっと澤村くん。私の大事な陽莉になにしたのよ」



すると、羅菜が私と朔空くんの間に割って入って言った。



「別になにもしてないよ?」



「じゃあなんで陽莉がアンタなんかと一緒に……っ」



「まぁまぁ、そんな怒らないでよ。人の心って案外簡単に変わるものなんだよ」



なにカッコつけたこと言っちゃってるんだこの人。
私は死んでも朔空くんを好きにならないし。



「ね?陽莉」



「あ、うん……羅菜、本当に大丈夫だからね」



「……私は絶対認めないからね、澤村くん」



羅菜はキッと朔空くんを睨む。



羅菜怒ってる……怖い。
そういえば羅菜って澤村くんの王子様キャラにいつも文句言ってたもんな。


『ウソくさい』とか『あんなヤツのファンとかバカじゃないの』って。