教室に入って自分の席に着くと、羅菜がすごい形相で私に駆け寄ってきた。



「ちょっとちょっとちょっと!!!」



「あ、羅菜おはよ……」



「おはようじゃないでしょ!?どーなってんの!?アイツの彼女だなんてウソでしょ!?」



もう羅菜にまで広まってるんだ……でもまぁ仕方ないっか。



「いや、実は色々あって……あはは……」



「昨日は梶原くんに告白するんだって張り切ってたじゃん!」



私だって告白する気でいたのに……朔空くんが……っ!



「まさか澤村くんになにか洗脳でもされちゃった!?目覚ましてよ、陽莉!!!」



羅菜は私の両肩を掴んで前後に揺らす。



羅菜には……話してもいいかな?
今、コソッと話せばバレない……よね?



「あのね、羅菜。じ、実は昨日の放課後……」



と、口を開いたときだった。



「陽莉、どうかした?」



背後から聞き覚えのある声がして、寒気がした。