【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「はぁ、もう教室に行きたくない……」



「すげぇ騒ぎになってそうだな」



「アナタのせいなんですけど」



「自業自得だろ?昨日のことバラしてもいいなら、さっきのはウソだって女たちに言ってやってもいいけど」



「いえ、大丈夫です」



昨日のバラされることの方が相当ダメージ強い。
バラされたら私の人生は本当に終わる。
この世から消え去るよ私。
屋上からスカイダイビングするよ。



「……よし、そろそろあの集団も消えたかな」



扉を少し開けて周りの様子をうかがう。



「大丈夫そうだし、そろそろ教室行くぞ」



「う、うん」



私と朔空くんは立ち上がって、ひと気の少ない階段の方から教室に向かった。



なんかスパイみたい……なんだろう、このなんとも言えない緊張感は。