「ほんと、どこ行ってたの?陽莉」
朔空くんはみんなの前だからか、優しい口調で話す。
……なによ、さっきまで偉そうに話してたクセに。
「い、いや……途中で朔空くんのファンの女の子たちに流されちゃって……」
「もう俺から離れちゃダメだよ」
「……っ!?」
そう言って朔空くんは私を抱きしめた。
「「「キャー!!!!」」」
その瞬間、女の子の黄色い声が飛び交う。
「ちょ、朔空くんなにして……っ!」
こ、こんなことまで人前でされるなんて聞いてないんですけど……っ!?
しかも梶原くんの目の前で……っ!
頭がついていかない私に、朔空くんはオデコに軽くキスした。
「……っ!」
「こういうことだから、そういう風に集まられると困るんだ」
朔空くんは爽やかに王子様スマイルで女の子たちに言った。



