【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







校舎内に入ると、中からものすごい勢いで女の子の集団がやってきた。



「澤村くん、おはよ~っ!」


「今日もカッコいい~っ!!!」


「今日、澤村くんのためにお菓子作ってきたんですっ!もしよかったらどうぞ!!!」



す、すごすぎる……。
女の子の集団に押されて、どんどん朔空くんから離れていくよ……。
このまま押しつぶされて死にそう……。



とりあえず集団から抜け出そうと必死にもがく。



「ちょっと!邪魔なのよ!」



「ひゃ……っ!」



ある澤村くんのファンに押されて、私の体は傾く。



こ、コケる……っ!



と、目をつぶったが私の体はしっかりなにかに受け止められた。



ん?また朔空くん……?
でもなんか匂いが違う気がする……。



そんなことを思いながら目を開く。