「……はぁ、そういう表情すんのやめろバカ」
少し頬を染めて私の手首を解放すると、通学路を歩き出す。
「そういう表情ってなに?」
私、どんな表情してた……?
そんなに変な顔してたかな!?
「知らなくていい」
「で、でもっ」
「うるせぇ黙ってろ」
もうっ!ほんと自己中なんだから……。
意味わかんないよっ!
しかも歩くのはやいし追いつけない!
私は朔空くんみたいに足が長いワケじゃないんだから考えてほしいよ……。
まぁ隣歩きたくないからいいんだけどっ。
「お前、遅い」
「朔空くんが歩くのはやいんだよ!」
「ったく、しょうがねぇな」
朔空くんはブツブツ文句を言いながら、歩くペースをゆるめた。



