「ふっ、こんなぐらいでそんな顔真っ赤にするんだ?」
「ほ、ほっといてよ……っ!」
朔空くんから慌てて離れる。
私、恋愛経験ないんだってば!
仕方ないじゃん……。
「じゃ、キスしたらもっと赤くなんのかな?」
彼の言葉に胸の鼓動が加速する。
バカバカバカ……!
私ってばなにドキッてしてるのっ!
「……っば、バカ!じょ、冗談はやめ……っ」
「冗談じゃないって言ったら?」
そう言って私の手首を掴んで引き寄せた。
か、顔が……ち、近い……っ!
「このまま、キスしてやろうか?」
「っ」
口の端を上げて笑う彼に不覚にもドキッてしてしまった私はどうかしてるのかもしれない。