……なんて、今更後悔しても遅いんだけどさ。



「はぁ……」



学校に向かいながらため息をつく。



さっきから周りの視線がすごい。
昨日の帰りは暗かったから、全然人がいなかったけど……。
長身で容姿端麗の彼と歩いてるとそりゃ目立つ。
朔空くんのファンに睨まれそう……。



「なんでため息なんてついてんだよ。この俺の隣を歩けるなんて光栄だろ?」



「全然」



今すぐにでも逃げたいぐらいだし。
こんなのが毎日続くと思ったら涙出そう。



私は耐えられなくなって、少し彼から離れた。



「変に距離置くなって。不自然だろ?」



「きゃっ!」



朔空くんは私の腕を引いた。
そのせいでバランスを崩す。



……が、しっかり朔空くんが受け止めてくれた。



「……ったく、鈍くさすぎ」



「ご、ごめん……」



謝りながら顔をあげると彼との距離がすごく近くて、顔が熱を帯びる。