「へぇ、陽莉ってこんなとこに住んでるんだ」



「まぁ……」



陽莉の家は普通のレンガ造りの家だった。



「じゃあ……わざわざ送ってくれてありがとうっ!」



「明日の朝も迎えに行くから」



「はっ!?朝も!?」



「じゃ、明日からよろしくな。ニセ彼女」



「ちょ、待ってよっ!」



陽莉を無視して俺は自分の家に帰った。



明日から色々楽しくなりそうだな。
群がる女も、陽莉はそこそこ可愛い方だと思うし、勝ち目がなくて諦めるだろ。



昨日、陽莉がコケそうになって助けたとき、ふわっと香った匂いを思い出す。
アイツ、香水でもつけてんのか?
でもつけそうなヤツじゃないし。


……俺、あの匂い好きかも。



って、俺はヘンタイか!



自分にツッコミを入れながら家に帰った。