「あっ、あのこれは……っ!」
俺は焦る東本を見て1ついいことを思いついた。
コイツを俺の女だってあの群がる女たちに見せつければ、もう群がらないんじゃないかって。
「あ、あの……っ、このことは誰にも言わないでくださいっ!!!」
そうだ、さっきのことを黙るのを条件にすればいいんだ。
そして俺と東本陽莉は、契約を結んだ。
コイツ、からかいがいがあるし案外一緒にいると楽しいかも。
なんて思ってしまった俺は……。
……で、今一緒に帰ってるとこなんだけど。
「陽莉、元気ねぇな」
「そりゃまぁ……」
それも仕方ないか。
俺があんなこと言ったんだもんな。
「ま、俺に恋でもすれば?そしたらアイツのことなんて忘れられるだろ?」
なんて言ってからかう。
「梶原くんは超えられないよ、朔空くんには」
そんなにあの梶原ってヤツがいいか?
アイツの魅力が俺にはわかんねぇ。
ガックリする陽莉になんだか少し腹が立った。