キーンコーン―――
この授業で今日の授業、終わりだーっ!
私も自分の席に着くと、右隣の席に梶原くんが座った。
その瞬間、私の胸の鼓動は加速する。
「なぁ、東本」
「っ!は、はい!」
急に梶原くんに話しかけられて、体がビクンと反応する。
「あはは、そんな固くならなくていいのに」
「あ、ご、ごめん……」
梶原くんに笑われた……恥ずかしい……。
でも仕方ないよ。
梶原くんに話しかけられたら緊張しちゃうんだもん。
「謝ることないって。あのさ、このプリントのここの問題の解き方、教えてくんない?」
梶原くんが差し出してきたのは、数学の課題プリントだった。
「え?」
「俺、数学すっげぇニガテでさ。東本っていつもテスト返しのとき先生に褒められてるし、この問題わかるかなぁって思って」
か、梶原くん……私が先生に褒められてるとこ、見てたの……?
どうしよう、嬉しすぎて発狂しそう。
ウソ……信じられない……っ!