「パパ……っ!」
この人が玲ちゃんのお父さん?
「なにしてんだお前は!」
「ごめん、なさい……」
「大変ご迷惑をおかけしました……。明日にはちゃんと連れて帰ります」
玲ちゃんのお父さんが私たちに頭を下げる。
「いやいや、いいのよ!久しぶりに玲ちゃんと過ごせて楽しかったわ」
朔空くんのお母さんが笑顔でそう言うと、玲ちゃんは嬉しそうに笑った。
「おじさん」
朔空くんが玲ちゃんのお父さんの目の前に立った。
「玲は本当は寂しがり屋なんです。おばさんが亡くなってからずっと寂しいのに、おじさんに迷惑かけたくないからって、ずっと我慢してたんです。だから……できるだけそばにいてあげてください」
「……玲、ごめんな」
玲ちゃんのお父さんは玲ちゃんを優しく抱きしめた。
「パパ……っ、うぅ……パパ……っ」
「気付いてやれなくてごめんな……」
2人の抱き合う姿に、胸がジーンと熱くなった。
ステキな親子愛だな……。
よかった、玲ちゃんの気持ちにお父さんが気付けて。
「朔空くん、ありがとう。朔空くんのおかげで大切なことに気が付けた気がするよ」
「それはよかったです」
朔空くんと玲ちゃんのお父さんは握手を交わした。



