「誰だよ……」



ちょっと不機嫌そうにケータイをポケットから取り出す。



「母さんだ。ちょっと、ごめん」



「うん」



朔空くんは電話に出る。



「もしもし?なに?……は?マジで言ってんの?……わかった」



電話を切ると、朔空くんは少し焦った表情になる。



「玲が心臓発作で病院に運ばれたって」



「え!?」


心臓発作……?
それって医療ドラマとかでよく見る……アレ?



「陽莉はどーする?風邪引いたら困るし、風呂入ったほうが……」



「大丈夫!私もいく!」



「……そっか。急いでいくぞ」



朔空くんは私の腕を引いて、外に出た。
そしてタクシーをつかまえると、病院へ向かった。