【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「なぁ、キスしていい?」



「えっ!?」



「つーか、もう我慢できない」



「ふぅ、んんっ!」



ドキドキする間もなく、朔空くんは私の唇にキスをした。
その瞬間、私の体は魔法にかけられたように熱くなる。



あぁ、私はやっぱり朔空くんが好きだ。
好きで好きで、たまらないんだ。



「お前の唇、冷たい……」



「そ、そういうこと言わないでくれるかな……恥ずかしいから」



「照れてんの?可愛いヤツ」



「だからやめてってば!!!」



朔空くんはなんでいっつも最終的にはイジワル言うかな……。



「陽莉、すっげぇ濡れてるけど、風邪引くぞ」



そっと、私に自分の着ていたパーカーをかけてくれた。



「なんで朔空くん全然濡れてないの……」



「俺が来るときには雨、止んでたから全然濡れなかった」



「なんか、ズルい」



私はあんな寒い思いして帰ったのに!
でも、こうやって朔空くんにパーカーかけてもらえたからよしとしよう。



♪~♪~♪~



すると、朔空くんのケータイの着信音が鳴った。