「……ったく、お人好し」
呆れたようにため息をついて、私の頭をポンポン撫でた。
「私……本当はね、すごく寂しかった」
今なら……素直に自分の気持ちを言える気がする。
「え?」
「朔空くんがずっと玲ちゃんのところに行っちゃうから……」
「……そう、だよな。俺、どうかしてた。玲ももう子どもじゃないのに、ずっとアイツのワガママに付き合って、彼女をほったらかしにして……最低な彼氏だよな」
そう言った朔空くんの声は少し震えていた。
「ううん、こうやって来てくれるだけで嬉しいよ」
「陽莉……」
「でも、これからはもう少し、私のそばにいてほしい。ワガママ、かな?」
私は朔空くんの腕の中で朔空くんを見上げた。
「……そういう顔すんの、反則」
「へ?」
は、反則?



