「私……梶原くんの部活してるところを見て帰りたい」



「……はぁ、仕方ねぇな。付き合ってやるよ」



「えっ、で、でも……」



「一緒に行動する約束なんだから」



こうして、私と朔空くんは一緒に体育館に向かった。



なんだか、朔空くんと隣で歩くのって変な感じ。
昨日まで全く関わりのなかった朔空くんとまさかこんな関係になるなんて。



体育館に入るといつも通り2階に上がった。



「いた……」



梶原くんはやっぱり他の部員よりも一際輝いて見える。



「……梶原のどこがいいんだよ」



私の隣で、朔空くんは興味がなさそうに言う。



「梶原くんは……優しくてバスケが上手くてカッコよくて……全部好き」



「ふぅん……てか知らねぇの?」



「え?」



「アイツに彼女いるんだってこと」



その言葉に私はなんとも言えない感情になった。



梶原くん……彼女いたんだ……。
知らなかった……。