「う、うぅ……っ」
私は朔空くんと一緒にいられない運命なのかな。
なんで……上手くいかないんだろう。
でも、まだ玲ちゃんのことが理由で来なかったと決まったワケじゃない。
家に帰ろう。
無我夢中で家まで走った。
雨に濡れることなんて、ちっとも気にならなかった。
「はぁ……っ、朔空、くん……っ」
ガチャ―――
家に入ると、私は靴を脱ぎ捨てて部屋に入った。
そして机の上に置きっぱなしのケータイのロックを解除する。
「……っ!」
メールのアプリを開いて更新しても、画面には《新着メールなし》と表示されるだけだった。
電話も不在着信は入っていない。
朔空くん、私との約束、忘れちゃったのかな……?
それとも、まだ寝てたりするの……?
私は寒さで震える手で朔空くんに電話をかけた。