「って言ってもアレだよ!ロック画面見てただけ!陽莉さんとのツーショットだー!って思ってさ」
「そっか」
ロックを解除するには4ケタの数字が必要だし、おそらく玲の言ってることは本当だろう。
「アイス買ってきた」
「わー!ありがとう!早速食べちゃおーっと!」
玲は子どもみたいにアイスに手を伸ばす。
「こんなクソ寒いのに、よくアイスなんか食えるな……」
「だって美味しいんだもん!」
幸せそうにアイスを食べる玲を見ていると、ホッとする。
まるで小さい頃に戻ったみたいだ。
俺はいっつも玲のそばにいて、玲のワガママを聞いて、玲を楽しませるためにできる限りのことはした。
「朔空?どうかしたの?」
「いや、別に」
「ミルクレープ、食べないなら私が食べちゃうよ?」
「ダメだ」
ミルクレープを一口サイズにフォークて切って口に運んだ。