「さむ……」
ちょっと薄着すぎたかも。
さっさと帰ろう。
と、思ったときコンビニからすぐ近くの、ふとショーウィンドー越しの白いウェディングドレスに目がつく。
綺麗、だな。
陽莉が来たらすっげぇ似合うんだろうな……。
ウェディングドレスを着る陽莉を想像する。
やばい、にやけそうだからやめておこう。
……いつか俺も陽莉と生活する日が来るのかな。
そうだといいな。
きっと毎日幸せなんだろうな。
陽莉は……俺との未来を見てくれてたりすんのかな。
陽莉のことだから今のこと考えるので精一杯そうだけど。
ま、そういうところがまた可愛いんだな。
って、はやく帰らねぇと。
俺はハッと我にかえってその場を後にした。
「ただいまー」
家に入ってリビングの時計を確認する。
片道20分ぐらいのはずなのに、家に帰るのに30分ほどかかってしまった。
ドレスに夢中になりすぎたな……。



