「……っ」



覚悟を決めて目を強くつぶったときだった。



オデコに小さな痛みが走った。



「い、いたっ……!」



「ふっ、冗談だっつーの」



目を開くとククッと面白そうに笑う朔空くんがいた。
私は恥ずかしさで下を向く。



「なに、ほんとはキスしてほしかった?」



耳元で囁かれて、私の体は熱を帯びる。



「そ、そんなワケないじゃんっ!」



はぁ~~っ、完全に朔空くんのペースにのせられてるよ私……。



「さ、帰るぞ」



「え?」



「一緒に行動するって約束しただろ」



あぁ、そうだった……。
でも私……梶原くんが部活してるのを少しでも見てから帰りたい。
もう告白はできそうにないし、見ているだけにしよう……。